同性婚・パートナーシップの
現在と未来
【LGBTニュースを正しく読み解く】

秋の婚活!

こんにちは! だんだんと涼しくなってきましたね。朝晩の肌寒い空気を感じる度、秋が来たんだなあ……と感じます。

秋といえば! Find f主催の秋の婚活パーティ、皆さんは参加されましたか? テーマ別のパーティは初対面の人とも話が弾みやすく、趣味が共有できるパートナーを見つけるにはぴったりですよね。参加された方、ぜひぜひ感想を教えてくださいね!

また、「今度はこんなテーマでやってほしい!」「東京には行けないので⚪︎⚪︎県で開いて欲しい!」など、要望があればFind fのスタッフの方に伝えてみてはいかがでしょうか。利用者の方とスタッフの方、それぞれの声が合わさって、Find fがこれからもっともっと素敵なサイトになっていけばいいなと思っています。皆さんの良い出会いを応援しています!

 

さてさて、良い縁に恵まれて大切なパートナーができると、将来のことを考え始める方も多いのではないでしょうか。ということで、今回のテーマは「同性婚、パートナーシップ」です。

ここ数年、ヨーロッパやアメリカを中心にセクシュアルマイノリティへの理解が進み、同性婚・パートナーシップの制度も少しずつ整ってきました。とはいえ日本を含むアジアではまだまだ理解が浅く、同性婚やパートナーシップについての議論もあまり深められていないのが現状です。

今回のコラムでは、まず世界の同性婚・パートナーシップ制度の状況を見た上で、日本はこれからどうなっていくのか、私たち個人は何を意識していくべきなのかについて、考えていきたいと思います。

 

 

世界の同性婚・パートナーシップの現状

それでは、同性婚・パートナーシップ制度を持つ世界の国々を見てみましょう。

【同性婚が認められる国・地域】
オランダ、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマーク、フランス、南アフリカ、アルゼンチン、カナダ、ニュージーランド、ウルグアイ、イギリス、ブラジル、米国、メキシコ、ルクセンブルク、アイルランド、グリーンランド(デンマーク自治領)、エストニア、コロンビア、フィンランド(2017年より)

【登録パートナーシップなどを持つ国・地域】
フィンランド、グリーンランド、ドイツ、ルクセンブルク、イタリア、サンマリノ、アンドラ、スロベニア、スイス、リヒテンシュタイン、チェコ、アイルランド、コロンビア、ベネズエラ、エクアドル、オーストラリア、イスラエル、ハンガリー、オーストリア、クロアチア、ギリシャ、マン諸島(英王室属領)、ジャージー諸島(英王室属領)、ジブラルタル(英国領)、マルタ、エストニア

同性婚・パートナーシップ制度を持つ国は、人口比率でいえば世界の16.9%、GDP比率では世界の58.5%を占めるそうです。改めて調べてみて、思っていた以上に多くの国が同性婚やパートナーシップ制度を認めていることに驚きました。

参考:Equal Marrige Alliance HP(http://emajapan.org/promssm/世界の同性婚)(参照日:2016年11月14日)

アジアにおける同性婚・パートナーシップ制度は?

上に紹介した国の一覧を見て気になるのは、アジアの国々が入っていないということ。アジアでは文化的背景から従来の家族制度を維持すべきとの声が強く、ヨーロッパに比べて議論が進んでいないのです。

それでもここ最近は同性婚・パートナーシップ制度を希求する声も挙がっています。台湾ではすでに法案が議会に提出されており、台湾の総統である蔡英文氏は10月29日のLGBTパレードに合わせ、同性婚を支持する文書をフェイスブックに掲載しています。

参考:

CNN「台湾で同性婚合法化の機運、年内にも法案 アジア初実現か」
http://www.cnn.co.jp/world/35085307.html(参照日:2016年11月14日)
産経ニュース「台湾・蔡英文総統、同性婚への支持を再表明」
http://www.sankei.com/world/news/161029/wor1610290043-n1.html(参照日:2016年11月14日)

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日本における「結婚」とは

次に日本の結婚について見ていきたいと思います。日本において、結婚(婚姻)は以下のように憲法で定められています。

日本国憲法
第三章 国民の権利及び義務
第二十四条  婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

上記の条文の中には「両性の合意」と書かれています。この「両性」は「一人の男性と一人の女性」を指すものと解釈されているので、日本では同性婚が認められていない、ということになります。

それでは憲法を改正しない限り同性婚は認められないのでしょうか? これに関しては様々な意見がありますが、同性婚支持の立場からは、「憲法改正をしなくても同性婚を認めることはできる」との意見が出ています。

なぜなら、第二十四条の目的は、「男性と女性のカップルにのみ結婚を認める」ことではなく、「男性と女性が一個人として対等に生きる権利があることを示す」ことであるからです。憲法制定当時、女性の地位は現在と比べて遥かに低く、その状況を変える目的でこの条文が定められたのです。

こうした「法の目的」に照らし合わせれば、憲法第二十四条は同性婚の妨げにはならないということになります。同性婚を求める声が大きくなれば、将来的に認められる可能性も低くないのです。

憲法二十四条にまつわる議論については以下のHPが参考になります。

EMA日本(http://emajapan.org/ssmqaa/憲法は、同性婚を禁止しているのではないですか)(参照日2016年11月14日)
特別配偶者法全国ネットワーク パートナー法ネット(http://partnershiplawjapan.org/japan/)(参照日2016年11月14日)

 

 

日本におけるパートナーシップ制度の現状は?

それでは、日本におけるパートナーシップ制度について見ていきたいと思います。パートナーシップに関する条例や要綱は、2016年11月時点では以下の5つがあります。

 

東京都渋谷区「渋谷区パートナーシップ証明書」2015年11月より
東京都世田谷区「世田谷区パートナーシップの宣誓の取り組み」2015年11月より
三重県伊賀市「伊賀市パートナーシップ宣誓制度」2016年4月より
兵庫県宝塚市「宝塚市パートナーシップ宣誓」2016年6月
沖縄県那覇市「那覇市パートナーシップ登録」2016年7月より

 

全て「パートナーシップ」に関する条例・要綱ですが、「申請できる人」「必要書類」「費用」など、内容はそれぞれ異なります。

例えば渋谷区の「渋谷区パートナーシップ証明書」は必要書類として求められる「公式証書」の作成に数万円の費用がかかり、経済的負担は大きいと言えます。

一方、世田谷区の「世田谷区パートナーシップ宣誓の取り組み」は宣誓書への記入のみとなるので、書類を揃えるために費用がかかることはありません。

各条例・要綱の違いや公式証書作成にかかる費用等については以下のHPが参考になります。

Girrls∞Luv!「何が違うの?比べてみました〈同性パートナーシップ制度〉」http://girrlsluv.com/samesex-domesticpartner/(参照日2016年11月14日)
成年後見事務所「渋谷区の同性パートナーシップ証明にかかる費用はいくら?」http://www.houteikouken.jp/2016/02/14/渋谷区の同姓パートナーシップ証明にかかる費用はいくら/ (参照日2016年11月14日)

 

 

パートナーシップに法的拘束力はない

パートナーシップ制度を利用することによって、同性のカップルが二人で家を借りることが容易になったり、携帯電話の家族割引が適用されたりと、これまで男女のカップルに限られていたことが同性同士でもできるようになります。

ただしここで注意しなければならないのは、どの自治体の条例・要綱も、法的拘束力はないということです。「同性カップルの同棲を認めるか」「同棲カップルに家族割を適用するか」はあくまで各企業の方針に従って決められることなのです。もちろん、何も証明するものがない状態よりは、パートナーシップの証明書や宣誓書を提示したほうが理解は得やすくなります。この現状を踏まえた上で、これからどのような制度を求めていくべきなのか、考えていかなければいけませんね。

 

 

結婚の目的は?

さて、以上のような日本の結婚制度およびパートナーシップ制度を踏まえた上で、みなさんにもう一度考えて欲しいことがあります。
あなたは結婚したいですか? したくないですか?
また、それはなぜですか?

結婚には色々な側面があり、同じように結婚を望む人がいてもその理由は様々です。「一緒に暮らしたい」「結婚式を挙げたい」「世間の人に認めて欲しい」「子供を持ちたい」「将来の約束をしたい」……今挙げたような理由は、婚姻関係を結ばなくても実現が可能であると言えます。

それでは結婚しなければ認められない権利とは一体なんでしょうか。
よく挙げられるのは、財産の相続、扶養制度の利用、病院における緊急時の面会の許可といったものです。

こうした経済面や緊急時の対応といった面では、異性カップルと比べ、結婚が認められていない同性カップルの権利は大きく制限されていると言えます(厳密に言えば、養子縁組の制度を利用すればこれらの権利を得ることができます。)。

同性間のパートナーシップを法的に保障するしくみが存在しないことに伴う問題については以下のHPが参考になります。
特別配偶者法全国ネットワーク パートナー法ネットhttp://partnershiplawjapan.org/japan/life(参照日2016年11月14日)
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同性婚に対する懸念

私はいつか同性婚が認められるようになって欲しいと願っています。しかしその一方で、同性婚が認められることで、「同性愛者も一定の年齢になったら結婚すべきだ」という考え方や、「結婚している人が結婚していない人を差別する」といった新たな価値観が生まれてしまうのではないかと懸念しています。

結婚制度が整ったとしても、それを利用するかどうかは個人の自由です。結婚という道を選択しないカップルがいてもいいのです。大切なのは、同性愛者にも異性愛者と同じ権利が認められ、その上で、異性愛者も同性愛者も、制度を利用するかどうかを自由に選択できる環境を整えるということだと思います。

結婚する、しないの選択が自由にでき、どのような選択をした人も尊重するような社会を作ること。
そのために今私たちができるのは、自分が将来どのような人生を歩みたいのかをじっくりと見つめ直し、必要な制度を求めていくことではないでしょうか。

 

 

それぞれが描く「理想の社会」へ

このコラムの第一回でも触れましたが、皆さんにとっての「理想の社会」とはどのようなものでしょうか。私の理想は「一人一人が自分らしく生きられる社会」であり、結婚制度もパートナーシップ制度もそのためにあるべきだと思っています。

「理想の社会」というと、テーマがあまりに大きく漠然としていますが、一人一人の行動が未来の社会につながっているということを意識して、ぜひ考えてみてくださいね。

今回もお読みいただきありがとうございました!
寒さが増していますが皆様どうぞご自愛ください。
それではまた!gatag-00013197

アウティングの悲劇を防ぐために 〜一橋学生転落死事件に思うこと〜
【LGBTニュースを正しく読み解く】

リオオリンピックは選手のカミングアウトが過去最多!

こんにちは! ライターのhanaです。皆様お元気ですか?

先日、リオオリンピックが閉会式を迎えましたね! 今回のオリンピックは、同性愛者であることをカミングアウトしている選手の数が過去最多の42人ということで、大きく話題になりました(※48人と報道しているメディアもあります)。前回のロンドンオリンピックの23人と比べると大幅に増えていることがわかりますよね。

gatag-00013610(画像元:Vector Open Stock)

レズビアンの選手としては、会場で同性パートナーからのプロポーズを受けたイザドラ・セルーロ選手(ラグビー・ブラジル代表)、「勝利を家族、コーチ、愛する人(女性パートナー)に捧げる」と語ったラケーレ・ブルーニ選手(水泳・イタリア代表)、今回初めて公式にカミングアウトしたラファエラ・シルバ選手(柔道・ブラジル代表)、その他たくさんの選手が話題となりました。

 

「IRORIO 選手のカミングアウトは過去最多!歴代で最もLGBTに寛容なリオ五輪」(参照日:2016年8月31日)

http://irorio.jp/jpn_manatee/20160817/344142/

 

同性愛者に対する理解の度合いは国によってさまざま。同性婚が認められている国もあれば、同性愛者が死刑の対象となる国もあります。こうした状況の中で、世界的に活躍するスポーツ選手が自らの意思でカミングアウトをしたーーこの嬉しいニュースに勇気づけられた人も多いのではないでしょうか。

 

「カミングアウト」と「アウティング」

カミングアウトで最も重要なのは「本人の意思で、本人の望む時期・方法で行われる」ということ。本人が望んでいないにもかかわらずカミングアウトを強要することはできないし、ましてや周囲の人が勝手に公表してしまうことなど絶対にあってはなりません。

本人が自らの意思でジェンダー・セクシュアリティを表明することを「カミングアウト」と呼ぶのに対し、本人の意思に反してジェンダーやセクシュアリティが公表されてしまうことを「アウティング」といいます。
 
アウティングはその人の人生を大きく変えてしまうほどの影響力があるにも関わらず、その危険さを理解していない人は多いのかもしれません。今回取り上げるのは、一橋大学のロースクールで、アウティングによって当人の死を招いてしまった悲しい事件です。

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なぜ「彼の死」を防げなかったのか

まず事件の概要を説明します。

【一橋大学ロースクールの学生であるA君は、2015年4月、同級生の男子学生にB君に、恋愛感情を抱いていることを告白。B君は、付き合うことはできないが友達でいたい旨を伝えた。同年6月、B君は同級生複数名でつくっているLINEのグループで、A君が同性愛者であることを暴露。A君は心身に不調をきたし心療内科に通院するも、8月にパニック発作を起こし、校舎の6階から転落死した。】

この事件を知った時、私は辛くてたまりませんでした。なぜこのような事件が起こってしまったのだろう、なぜ死を防げなかったんだろう、最悪の事態に至るまでに何かできることはなかったのだろうか……。なぜ、B君をはじめ、A君の周りの友達は、A君のカミングアウトの葛藤やアウティングの苦痛を想像できなかったのか。悲しさとともに、多くの疑問がこみ上げてきました。

 

アウティングの経験

今回の事件を知ってから、私も自分の学生時代を思い返していました。私自身は大学の友人にはほとんどカミングアウトしていなかったこともあり、アウティングの被害に遭うことはありませんでした。
 
しかし、大学で同じサークルに所属していた男子学生がアウティングされるのを聞く立場になってしまったことがあります。サークルのある先輩が他愛ない会話の中で突然、同じサークル内の男子学生に関して「あいつさあ……バイなんだって。でも(その話題には)あんまり触れないであげて。」と私に告げてきたのです。

その口調から、先輩はこれまでに他の学生にもその秘密を漏らしてしまっているということが想像できました。それも本人がいないところで。男子学生自身が気づかないまま、サークル内の多くの人が彼のセクシュアリティを知っているという状況が生まれてしまったのです。

もしも本人がこのアウティングの状況を知ってしまったらどのような気持ちになるでしょうか。それは彼自身にしかわかりませんが、大きな精神的苦痛を与えてしまう可能性もあるのです。アウティングをしてしまった先輩は、彼自身の気持ちを想像することができないまま、「秘密を知っているという優越感に浸りたい」という気持ちだけでこのような行動に出てしまったのだと思います。

 

相手の気持ちを想像すること

先輩に欠けていたのは、カミングアウトの葛藤やアウティングの苦痛を想像する力です。そして今回取り上げた一橋大学の事件も、A君の葛藤や苦痛をB君が想像できなかったために起こってしまったのではないかと思います。
 
私には、B君がA君の死を望んでいたとは考えられません。アウティングを擁護する訳では全くありませんが、B君は、自分のしたことが相手の死を招くとは思っていなかった、自分だけが知っている秘密を抱えきれなくなった結果、LINEグループでA君のセクシュアリティを公表してしまったのではないでしょうか。
 
もちろんこれは、あくまでも私の想像です。でも、もしそうであれば、今後このような事件を起こさないためには、カミングアウトの葛藤やアウティングの苦痛を、世の中の人に知ってもらうしかないのです。

 

カミングアウトの勇気と葛藤

冒頭で取り上げたように、スポーツ選手をはじめとする著名人のカミングアウトは、華やかなニュースとして報道されます。明るい話題として取り上げるのは望ましいことですが、その反面、カミングアウトに至るまでの葛藤や、カミングアウトするのにどれだけ勇気が必要だったのか、カミングアウト後に彼らが日常的にさらされている差別や偏見は見えにくくなってしまいます。私は、そのカミングアウトの裏にある苦しみや勇気も伝えていかなければならないと思っています。

 

私自身は家族と少数の友人にはカミングアウトしていますが、そこに至るまでには様々な葛藤がありました。特に両親に話すときには「気持ち悪い、おかしいと思われたらどうしよう」「一時の気の迷いだと思われたらどうしよう」と悪い結果ばかり想像してしまい、なかなか勇気が出ませんでした。しかし自分が自分らしくいるためにどうしても話したいと思い、どのように話せば両親を困惑させずに済むかを一生懸命に考えました。

私の場合は、普段テレビを見ながら、ゲイのタレントが出ているバラエティやLGBTに関するニュースが流れた時にはさりげなく話題に取り入れて両親の反応を伺いました。そして両親が偏見を持っていないことを確認し、長い時間をかけて、一番良いカミングアウトの方法を探りました。

両親の性格上、日常の会話の中でさりげなく話す方が良いと思ったので、「私はレズビアンだ」と告げるのではなく、「女の子と付き合っていて、夏に旅行に行くんだ」と話し、そのまま旅行先の話に移りました。父も母も少し驚いていましたが、特に深く追求することなく、そのまま自然に受け入れてくれて、ほっとしたのを覚えています。両親に話せたことは私にとってとても大きな出来事で、一つ心の重荷が取れたように感じました。

 

私の両親はこのような形で受け入れてくれましたが、セクシュアルマイノリティを取り巻く状況は様々で、カミングアウトをするのが難しい場合もあります。私がセクシュアルマイノリティの方々に伝えたいのは、何よりも自分を大切にして、自分が傷つかない道を選んで欲しいということ。それを第一に考えた上で、もし可能であれば、カミングアウトの葛藤やアウティングの苦痛を含め、自分自身の体験談を伝えていって欲しいなと思います。

 

悲しい事件を二度と起こさないために

一橋学生の転落死事件は、私にとって、そして多くの人にとって、他人事として済ませることができない、とても悲しい事件でした。このような事件を二度と起こさないために、個人レベルでできることは何か、一緒に考えてみませんか。gahag-0118805601今回もお読みいただきありがとうございます! LGBTニュースで取り上げて欲しいものがあれば、ぜひコメント欄で教えていただきたいです。また次回もよろしくお願いします!

LGBTパレードに参加しますか?
【LGBTニュースを正しく読み解く】

こんにちは、hanaです。8月に入りましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか? 海、お祭り、バーベキュー……夏はたくさんイベントがありますが、インドアな私は、外で遊ぶと言っても仕事帰りにお酒を飲みに行くくらい。でも仕事が終わって帰るときに、まだ外が明るいとなんとなく嬉しい気分になります。

 

LGBTパレードに参加する? しない?

今回のテーマは「LGBTパレード」です! 「LGBTパレード」(レインボーパレード、プライドパレード)とは、LGBTの権利向上や理解などを求めて街頭を練り歩くパレードのこと。

LGBTの象徴とも言われるレインボーカラーのアクセサリーを身につけて歩く人や、艶やかなドラァグクイーンたちのパフォーマンスが見られたりと、デモ行進というよりは「賑やかなお祭り」といった表現が近いように思います。
(気になった方は画像検索をしてみてくださいね。写真を見るだけでもわくわくしてきます)

さて突然ですが、ここで質問です。
もし自分が住んでいる地域でLGBTパレードが開催されたら、あなたは参加しますか? それとも参加しませんか? 

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「参加する!」、もしくは「しない!」と即答できる人は、意外と少ないのではないでしょうか。

「楽しそうだけれど、会社の人に知られるのは怖いからやめておこうかな・・・」「自分は賑やかなイベントが苦手だけれど、友達が一緒に行きたがっているし、どうしよう・・・」など、色々と考え迷ってしまいますよね。
 

パレードに行くかどうか迷っている気持ちを整理しよう

そんな迷う気持ちを整理するには、次の二つの観点から考えてみることが効果的です。

一つめが、「コンセプトに賛同するか、しないか」という観点です。
具体的に、ここでは、日本の代表的なパレードを二つを取り上げて考えていきたいと思います。

 

「東京レインボープライド2016」開催概要》

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『東京レインボープライド』は、 LGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)が、差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく、前向きに生きていくことができる社会の実現を目指すイベントの総称です。(中略)『東京レインボープライド』では、様々なイベントを通じ、LGBT当事者が等身大の存在として広く社会で知られるようになり、当たり前に暮らしていけるよう努めていきます。

 

「レインボーフェスタ!」について》(※「関西レインボーパレード」を含むイベントの総称です)

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自分がどのような性を生きるのか、性を介して他の人とどのような関係を築くのか、私たちの性のあり方は「LGBT」や「異性愛」の言葉だけでは表せないくらい多様性に満ちています。レインボーフェスタ!は、私たち一人一人が持つ「性の多様性」を祝福し、分かち合う場です。ハレの日に、色とりどりのあり方・個性が集い、互いに尊重し合うきっかけになることを目指しています。

(太字は引用者)

 

上記を読んで、二つのパレードのコンセプトの違いがわかりましたか? 

「東京レインボープライド2016」は「社会の認知」を、「レインボーフェスタ!」は「性の多様性の尊重」を第一に掲げています。

もちろん開催目的は一つではなく、ここに表しきれない主催者の思いもあると思いますが、「何を一番の目的にしているか」は、パレードの参加を考える上で大切なポイントと言えるでしょう。

LGBTと社会の関わりに対する思いは、当事者であっても十人十色。「もっと世間に知って欲しい」と思っている人もいれば、「知られたくない、そっとしておいて欲しい」と感じている人もいます。

自分はどんな世界を目指していて、自分のいる状況をどんな風に変えていきたいのか――。自分の気持ちをしっかりと見つめて、じっくり考えてみてくださいね。

 

パレードに「参加したい」と思うか、思わないか

二つめに大事な観点が、「自分が『参加したい』と思うか、思わないか」ということ。

一見すると、簡単なことのように思えるかもしれませんが、実はこれが一番難しい。

というのも、いざパレードに参加となると、自らの社会的な立場や、パートナーあるいは友人との関係など、いろいろなことを考えざるを得なくなるからです。

だからこそ、今一度、自分自身の気持ち、『参加したい』かどうか、振り返ってみましょう。

少しでも参加したいという気持ちがあれば、本当にあらゆる方法があります。周りへバレることが気になる方でも、例えば、仮装して顔出しをせず参加したり、パレードの中で歩かなくても街頭から手を振るという参加の仕方だってあります。もちろん、当日パレードに参加しなくても、TwitterやFacebookなどのSNSを使ってパレードを告知するというのも、参加の一つと言えると思います。

 

「無理せずにできる範囲」で参加してみる

余談ですが、これまで私自身、職場にカムアウトしていないことや、賑やかなイベントが苦手なことから、パレードへの参加には二の足を踏んでしまっていたのが実情でした。「みんなががんばっているのに私は何もできず情けない……」と落ち込んでいた時期も。

それでも、色々な人の参加の方法を見て、無理せずにできる範囲で関わることが大事なんだと気付きました。今ではSNSで拡散したり、友達に話したり、こうして記事として書くことで、自分にできる範囲の応援をしています。やはり自分が自分らしくいられる形でパレードに参加するのが一番ですね!

 

最後になりましたが、みなさんはパレードに対してどのような気持ちを抱いていますか? コメントで教えていただけたら嬉しいです。

それでは、次回もよろしくお願いします!

 

【今年日本で開催されるLGBTパレード】

東京RAINBOW PRIDE(東京・2016.5.7〜8)

虹色どまんなかパレード(愛知・2016.9.17)

関西レインボーパレード(大阪・2016.10.8)

※その他、過去に開催されたことのあるパレードについてはこちらのHPが参考になります。

「同性婚 ゲイ マリッジ」

http://gaymarriage.jp/gayparadeinjapan/ (参照日2016年8月17日)

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オーランド銃乱射事件から学ぶこと--ヘイトクライムとしての報道
【LGBTニュースを正しく読み解く】

オーランド銃乱射事件とは

こんにちは、hanaです! 7月後半から本格的に暑くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか? 私はふだん電車で通勤しているのですが、最寄り駅から会社まで、たった10分歩くだけでへとへとになってしまいます。みなさんも水分をたくさん取って、熱中症には気をつけてくださいね!

 

それではさっそくニュースを見ていきたいと思います。今回取り上げるのは、6月にアメリカのフロリダ州オーランドで起こった「オーランド銃乱射事件」です。

【6月12日未明、アメリカ合衆国フロリダ州オーランドのゲイナイトクラブで男が銃を乱射し、49人が死亡、53人が負傷。容疑者の男は客を人質に立てこもったが、突入した警察との銃撃戦の末に死亡した。】

以上が事件の概要です。
この事件は多くのメディアで報道されたので、知っている人も多いと思います。

 

私がニュースを見て気付いたのは、メディアによって事件の取り上げ方が大きく異なるということ。大まかに分けると次の三つの取り上げ方がありました。

①アメリカの銃規制問題に言及したもの
②IS(イスラム国)との関連を指摘したもの
③LGBTに対するヘイトクライムとして捉えたもの

このように様々な要素が複雑に絡み合うオーランド銃乱射事件ですが、このコラムでは③の側面について考えていきたいと思います。

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「ヘイトクライム」としてのオーランド銃乱射事件

「ヘイトクライム」とは、「宗教・人種・セクシュアリティなど特定の属性に対する憎悪や偏見から起こる犯罪」のこと。今回の事件はゲイナイトクラブ「Pulse」を狙った犯行であったことから、多くのメディアが「ゲイ(LGBT)に対するヘイトクライム」として報道しました。

もちろんヘイトクライムであることは疑いようがないのですが、「ヘイトクライム」として報道することには、良い面だけでなく悪い面も存在するのです…。

 

ヘイトクライム報道のメリットとデメリット

メリットとしては、LGBTの置かれた状況を世界の人に知ってもらえることが挙げられます。LGBTの人々は日常的に、マイノリティとして憎悪の対象となる危険にさらされています。こうした状況を知ってもらうことで、味方を増やすこともできるのです。

一方で、以下のようなデメリットも存在します。

・別のゲイクラブに模倣犯が現れる可能性がある
・LGBTのクラブの規制に繋がる
・マイノリティの特殊な事件として記憶されてしまう危険性がある

 

特に注意しなければならないのは、三つ目の点です。

「LGBTの事件」として報道されることで「LGBTって危ないんだ」「自分には関係ない事件だ」と思われてしまう可能性があります。また、もともとLGBTに良い感情を抱いていない人々の中には、「社会的に許されない人達なのだから事件が起こって当然だ」と解釈する人もいるかもしれません。

こうしたデメリットがある中で、私たちはこの事件をどのように捉えればよいのでしょうか。
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それでも声を挙げたい--オーランド銃乱射事件はヘイトクライムである!

このような状況の中でも、私はあえて「オーランド銃乱射事件はヘイトクライムである」と言う必要があると思っています。なぜなら、この先LGBTに対するヘイトクライムを起こさないためには、「私たちは泣き寝入りしない」という姿勢を見せる必要があるから。

マイノリティを狙う加害者の心には、「マイノリティだから攻撃されて当然だ」「マイノリティには力がないから反抗できないだろう」という気持ちが少なからずあります。これに対抗するには、「少数派であっても堂々と生きる権利がある」「ヘイトに屈しない」という態度を示し続けるしかないのです…!

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事件直後、インターネット上で、「#TwoMenKissing」というハッシュタグを付けて男性同士のキスの写真をアップしよう、という動きがありました。「ヘイトに屈しない」という姿勢をはっきりと示した行為だと言えます。

http://www.gaystarnews.com/article/twomenkissing-social-media-beautiful/#gs.null

日本でも、ゲイバー・レズビアンバーが多くある新宿二丁目で、犠牲者の追悼集会が行われました。LGBTの権利向上を訴える団体「ストーンウォール・ジャパン」が主催し、約150人が参加しています。

http://www.huffingtonpost.jp/2016/06/14/shinjuku-candle_n_10451772.html

 

そのほか世界中の多くの著名人が、この事件をヘイトクライムとして受け止め、コメントを出しています。

政治家のヒラリー・クリントン氏はFacebookで、「これは(テロの行為であるだけでなく)ヘイトの行為でもあります。【中略】アメリカでは、ヘイトが許される余地は一切ありません。」と述べました。

https://www.facebook.com/hillaryclinton/posts/1165058356884025

また女優のエレン・ペイジ氏(映画『JUNO』の主演女優さんです)はTwitter上で、「私たちのコミュニティはとても大きな損害を受けました。私たちはこれまで以上に団結しなければいけません。」と語っています。彼女は2014年に同性愛者であることをカミングアウトしています。LGBTコミュニティの一員として、ヘイトに屈しない姿勢を示しているのです。

 

ここに紹介したものはごく一部ですが、関心のある方はぜひリンク先のページも見てみてくださいね。

 

オーランド銃乱射事件の報道から学ぶこと

日本に住む人々にとっては遠い世界の話にも思えるこの事件ですが、「ヘイトに屈しない」というのは、私たちの日常においても大切なことなのではないでしょうか。小さな差別を見過ごさず、声を挙げ続けることが、自分にとって生きやすい環境を作り、同じマイノリティの人達の生きやすさにも繋がる。私はそう信じています!

 

今回は、堅苦しい内容になってしまいましたが、一緒に考えていただけたでしょうか。次はもう少し明るい話題を取り上げたいと思います。それでは、次回もよろしくお願いします!

このコラムについて--自分らしく生きるためにニュースを見よう!
【LGBTニュースを正しく読み解く】

    はじめまして!

はじめまして、ライターのhanaと申します。普段は都内で教育関係の仕事をしており、通勤中にLGBTにまつわるニュースを見ることを日課の一つにしています。このコラムでは主にLGBTニュースを紹介します。楽しいニュース、真面目なニュース、国内、海外……気になったものはどんどん取り上げていきたいと思っていますので、これからどうぞよろしくお願いします!

さて第一回はご挨拶として、このコラムでどんなことを書いていきたいかお伝えしたいと思います。

 

    自分らしく生きたい!

突然ですが、皆さんにとっての「理想の社会」とはどのようなものですか? 平和な社会? 平等な社会? 思い描く理想はそれぞれ違うと思いますが、私が目指すのは「一人一人が自分らしく生きられる社会」です。

性別・年齢・セクシュアリティなどに関わらず、これまで生きてきた中でほとんどの方が、自分の個性を指摘され、直しなさいと言われたことがあるのではないでしょうか。「女の子なんだから、かわいらしい服を着なさい」「男の子なんだから泣いちゃダメ」「お姉ちゃんだからしっかりしなさい」……それぞれの立場に合わせて、個性を制限する言葉もさまざま。

こうした「◯◯だから××でなければならない」という圧力がなくなって、その人がその人らしく、のびのびと過ごせる世の中になったらいいな、と思うのですが……。

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    目に見えない/気づきにくい言葉の圧力

言葉の圧力は、とても厄介です。目に見えないから気づきにくいし、その言葉になんとなく違和感を抱いて、後からよく考えて「あれっておかしいんじゃないの?」と気づいたとしても、自分の心が大きなダメージを受けていたり、知らず知らずのうちにその基準を自分の中に取り入れて、別の人に押し付けてしまっていたり……そんな経験が私にはあります。

例えば、買ったばかりのお気に入りのスカートで会社に出勤した時のこと。先輩の男性に「今日雰囲気違っていいね、モテそう!」と言われたことがあります。褒め言葉なのだとわかっていても、「男の人のためじゃなくて、自分が好きな服を着ているだけなのに!」という気持ちでいっぱいになってしまいました。こういう場合、相手に悪気がないからこそ、反論するのは難しいですよね。

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    「知識」という武器を手にいれよう

そんな圧力から自分らしい生き方を守るために、私たちには武器が必要です。

ではその武器とは何なのか……それは「知識」です。過去に行われてきた運動や起こった事件を知っていれば、「あ、これって昔の人が悩んできたことと同じだ」「反発していいことなんだ」と気づくことができます。また、物事の見方や考え方を身につけておけば、違和感を抱いたことに対して「何がおかしかったのか」「どうすればいいのか」考えることができます。

自分が自分らしく過ごすために、必要な知識を手に入れる。

とてもシンプルなことですが、ぜひ意識して日々のニュースを見てもらえたらいいなと思います!

 

    ニュースの見方・考え方について

このコラムでは、国内・海外のLGBTニュースを紹介するだけでなく、「この事件って何が問題だったんだろう?」「この報道の仕方はどこが偏っているんだろう?」といった、ニュースの見方・考え方についても書いていきます。

ニュースというと少し固い内容になりがちですが、できるだけ楽しく、かつ刺激のあるコラムに思ってもらえるようがんばっていきますので、難しく考えず、ぜひ一緒に考えていきましょう!

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Profile
名前…hana
20代後半、レズビアンです。読書・映画・お酒が大好きです!
LGBTのニュースを取り上げながら、皆さんと一緒にたくさんのことを考えていけたら嬉しいです。